一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
「ごめんな…。
お前が電話に出なかった時点で、迎えに行くんだった…。」
力強く、でも壊れ物を扱うように優しく抱き締めてくれる。
「あたしがいけなかったの…。先生から離れられなかったんだ…力だけは…自信あったのにな…。」
力なく笑ってみる…。
「美姫…。
今思ってること、言ってみ?」
今…思ってること……?
「助けてくれて…ありがとう。」
未だに震えが止まらない身体…。
でも、秀が助けてくれなかったら、今ごろどうなってたかわからないよ?
「そんなことじゃねぇ!
……全部言え。」
全部……全部…。
「…った。」
「ん?」
「怖かった…よぉ…。
いつもの先生じゃ…なかっだ…。
怖ぐで……震えが…止まらなかった…。」
泣きじゃくるあたしを優しく抱き締めてくれる秀…。
「泣くだけ泣いちまえ…。
ずっと、一緒にいてやる。」
その言葉で、あたしの中のなにかが切れたように、あたしは泣きまくった。