一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
勝負するの?
「先に落ちた方が負け。
負けた方は勝ったほうの言うことをきく。どう?」
いつ落ちるかわからない線香花火。
ようするに…運次第ってことか。
「よし!
やってやろうじゃない!」
一本ずつ線香花火をもって、一緒に火を点ける。
「よし。負けねーぞー?」
「あたしだって!」
なるべく衝撃を与えないように、1ミリたりとも動かない。
「おい。そんなにガン見してたら落ちちまうぞ?」
「いいの!集中してるんだから話し掛けないで!」
絶対に勝つんだから…。
秀も了承したのか、話し掛けなくなった。
あたしはパチパチ鳴る線香花火をジッと見つめる。
やっぱり綺麗だな…。
普通の花火も綺麗だけど、あたしは線香花火が一番好きだな〜。
「美姫…。」
だから話し掛けるなって!
「なによー?話し掛け…───────チュッ。
え?
───────ジュゥ…。
一方の線香花火の塊が墜ちる。