一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
17.縛られる恐怖
なんで……。
なんで……?
「どうした?座れよ。」
恐怖で満ちているあたしを不思議そうに見て、椅子に座るように促している。
「あたし…帰り……ます。」
あまりの怖さに、言葉が詰まってしまう。
「帰っていいのか?
明日も来るようになるぞ?」
え…?
「補習の担当は俺だ。
俺の報告によってお前の放課後はどうにだってなる。」
ニヤっと笑みを浮かべあたしを見る。
全身に鳥肌が立つ…。
「…やります……。」
「いい子だ。」
補習は…小テストでわからなかったところを集中的にやった。
だけならよかった…。
…あたしが間違える度に、先生は…腕や足……とにかく触ってきた…。
そのたびにあたしは堅く目を閉じて、身を震わせ我慢した。
今日だけだ…今日だけ我慢すれば終わるんだ……。
自分にそう言い聞かせて、必死にその時間をやりぬいていく。
「身体が震えているな。寒いのか?俺が暖めてやろう。」