一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
下を向いて歩いてたせいで、誰かにぶつかっちゃった。
一歩下がって上を見上げる。
「ゆ、悠太兄!」
「ん?君誰?」
え!?
あたしの名前わからないの?
長い間会ってなかったから、あたしの顔忘れちゃった?
それとも…あたしの人違いだったとか!?
「…。」
一度上げた顔を再び下げる。
「嘘だよ。美姫だろ?俺が忘れたとでも思ったか。」
ニカッと笑いながらあたしの顔を覗き込む。
この笑い方…やっぱ悠太兄だ!
「やっぱ悠太兄だ!!!
久しぶり!!元気だった!?」
飛び跳ねて喜ぶ。
「元気だったぞ?
それにしても、美姫も大きくなりやがって…見違えたよ。」
微笑む悠太兄に思わず抱きつこうと一歩踏み出したとき…
「佐藤?何やってるんだ?」
あたしの行動を邪魔したのは、“あの人”の声だった。
「福澤…先生。」
にやりと笑いながら先生はあたしを見てる。
そんな先生に、あたしは恐怖しか覚えない。