一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
早く図書室行かないと…。
なにされるかわからない…。
「ごめん悠太兄!用事忘れてた。また後で話そう?」
すぐそこに福澤先生がいると思うと、うまく笑顔がつくれない。
「あぁ…だけど顔色悪いぞ?」
あたしはこれ以上ここで話していたくなくて、図書室に走って向かった。
ごめん悠太兄…。
だけど…福澤先生の目が…………“早く図書室行け”って言ってたから…。
またいつもの補習の時間が始まる…地獄のような…時間が…。
「ほら……また間違えた。お仕置き。」
そう言って、あたしの襟を捲る先生。
だけど…先生は珍しく目を見開いた。
だけど、すぐにいつものポーカーフェイスの先生に戻る。
「この傷は…何?」
あぁ…傷を見て驚いたのか…。
この傷だって…先生が付けたようなもんじゃない。
だけど…それを拒むことが出来てないあたしは、改めて自分が無力だと思い知らされる。
「これは…ちょっとかゆくて掻いたらこんなんなって…。」