一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
18.文化祭
月日は過ぎて、もう秋。
あれから…福澤先生は解任されて、この学校からいなくなった。
「それじゃー…今日は白鳥祭の実行委員を決めるか。
男女一名ずつ。誰かやりたい奴いるか?」
白鳥祭っていうのは、文化祭のこと─────────スッ。
先生の問い掛けに、一本の綺麗な腕が一直線に上がった。
「おぉ!
浅木。やってくれるか!」
手を挙げたのは浅木さんだった。
他に女子での立候補者は居らず、すんなり浅木さんに決定した。
…のはよかった。
女子の実行委員が浅木さんだと知り、クラス中の男子が名乗りを挙げはじめた。
「先生。私、高瀬くんにやってもらいたいです。」
はぁ!!?
「はぁ!!?」
あたしの心の声とみごとに重なったのは、秀の声。
浅木さんはたくさんの立候補者を差し置いて、手を挙げてない秀を推薦した。
秀の様子をうかがうと、明らかにやりたくなさそうな顔してる…。