【短編】Little Kiss Magic~キスから始まる恋~
でもやっぱり僕には彼女が眩しくて、こんな事でもないと話すきっかけさえも浮ばない。

どれだけ勉強が出来たって、女の子と気軽に楽しい会話を出来るタイプではない僕は、モチロン女の子と付き合ったことなんて皆無だ。

だから、クラスでもかわいいと人気のある 秋山香織(あきやまかおり)にこうして声をかけられるだけでもドキドキする。

彼女はクラスでも一番人気だからね。

ホントなら僕なんて相手にされるはず無いんだ。

彼女が僕に声をかけるのは、単に宿題を写したり勉強を教えて欲しいからなんだってわかっている


だけど…それでもいい。


僕は彼女が、香織が好きなんだ。

この気持ちに気付いてから

いや多分気付く前からいつの間にか彼女を目で追っていた。

いつだっていつの間にか僕の視界に香織が入っている。

いつも笑顔の彼女だけどその笑顔に幾つか嘘の顔がある。

そう、僕は彼女の笑顔が本当に笑っていない事に気付いた。


何故・・・。


何故無理して笑うんだろう。



香織…君は何を心に閉じ込めてその笑顔で隠しているんだろう。




< 2 / 26 >

この作品をシェア

pagetop