【短編】Little Kiss Magic~キスから始まる恋~
明日もきっといつもの角を曲がると、いつもの通り君がそこにいる。

友達と楽しそうに笑いながら歩いている君。

その姿を見つけるとほっとして、それから頬が緩んでくるのは僕。

そんな僕を見つけて、君は満面の笑顔で声をかけてくるだろう。

「あ、廉君おはよう」

君は僕に向かって駆け寄ってくる。

それからこう聞くんだ。


「英語の宿題がんばってみたのよ。後で見てくれる?」


少しおねだりするように君は甘えて言うんだろう?


だから僕はこう答えるんだ。


「おはよう、香織。もちろんいいよ。…だけど」





――お礼に甘いキスを忘れないでね――






桜の木の下の小さなキス






きっかけのキスの魔法が僕たちの恋を静かに動かし始めていた。








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