【短編】Little Kiss Magic~キスから始まる恋~
長い睫毛をやや伏せ気味にして「ん~~?」と問題とにらめっこしている香織。

カワイイよなぁ…。

パッチリとした二重の大きな目に長い睫毛、化粧をしている訳でもないのに、透き通るような綺麗な肌にほんのりとバラ色の頬。

ぷっくらと形の良い唇を突き出してふてくされた様に僕を見つめてくる。



そんな顔しないで欲しいんだけどね。



君への想いが顔に出てしまうと困るだろう?

心臓がバクバクと鳴って五月蝿いのを君に聞かれやしないかと心配だよ。

「何、わからないの?」

そう言って彼女のノートを覗き込む僕。

距離が一気に縮まってふわっと彼女の甘い香りが漂ってくる。

うわ…いい香り…。

何だろうコロンかな、シャンプーの香りだろうか?

どっちにしても僕にはいっぱいいっぱいで…

もうこれ以上教えられそうにも無かった。

これ以上彼女といるのが辛くて

これ以上彼女といると、もっと好きになってしまいそうで

自分の気持ちの暴走を止められなくなる。




もう…ムリだ。



これ以上は限界だよ。





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