そして誓いの言葉を絆に
「だって……次にいつ会えるか分からないし、そのままずっと会えないかもしれないのに、手紙が手元にあると思い出して辛くなりそうだったんだもん」



私はあの時の気持ちを、思い出していた。



「1年後の合宿の時になったら思い出に変わってて、見ても辛くないかなぁ……と思って、隠したの」

懐かしくなって、手紙を封筒から出して見ようとしたら。



「うわっ、止めろっ、見るなっ」

涼が慌てて、私の手を押さえた。



「なんで? いいじゃない、見せてよ」

「ダメダメダメ……こっ恥ずかしいから、家に帰ってからゆっくり見ろっ! なっ?」

涼にしては珍しい慌て振りで、私の手から手紙を奪うと、強引に私の服のポケットに押し込んだ。



ふ~ん。

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