女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「何で逃げんの~?」

『そっちこそ何であたしに…』


去年きっぱりふったはずなのに!


「え~妹に紹介して貰ったから~?」


妹…?

あっ!そういえばさっき…


「じゃあ、後は2人切りでね♪お兄ちゃん、優しくしなきゃダメだよ?」


なんて小野が言ってた…。


ってこのチャラ男小野の兄!?

優しくって何!?


そんな事を考えながら後ずさる。


だけど…

ガンッ!


『痛っ……』


跳び箱に頭と背中をぶつけ痛みが走る。

「大丈夫~?逃げるからだよ…」


そう言ってあたしの目の前にしゃがんだチャラ男がニヤッと笑った。


ヤバい…!

逃げなきゃ…。

でも、後ろは跳び箱があってもう後ろにはいけない…。



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