女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「…二度と梨優に手だすんじゃねーぞ!!」


掴んでた胸ぐらを乱暴に離し、鋭い目をした佐伯が言う。


「お前らも…今度梨優に手出したら女でも容赦しねーから」

佐伯に低く言われ、小野達は怯えた表情をして走り去っていった。


「てめぇも早く消えろ!!」


そう言うと、ギャル男はヨロヨロしながらも出ていった…。


「梨優!!」


なんだか放心状態のまま、一点を見つめていると佐伯が駆け寄ってきた。


学ランをあたしにかけると前にしゃがみ込む佐伯。


「ごめん…梨優…」

辛そうな顔をした佐伯があたしを抱き締めた…。



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