女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**


「なっ!何で教卓の中にこんなん入ってをだ!?」


ホームルームの為に教室に入って来た先生がお菓子が入ってるんであろう包みを教卓の上に載せていく。


多分、昨日直接渡せなかった女子が入れたものだろう。


「んだよ~中セン自慢かよ~!」

「何で中センばっかり!?」


モテない男子達の不満の声が飛び交う。

「自慢じゃね~し!俺は妻一筋だ!!」


恥ずかし気も無く言う先生。


こっちが恥ずかしい…。

…あれ?

こんな話し、前だったら去年の事を思い出してやりきれない気持ちになったのに…。

今はなんとも無い。

指輪を見てもいつの間にか胸は痛まなくはなってた。

だけど…こんな奥さんのノロケ話しみたいのを聞いても平気になったんだ…。


自分の中の気持ちの変化。

去年はあんなに辛くて…

先生の事を過去に出来るなんて思いもしなかったのに…。

不思議な気持ちになりながら、ホームルームの先生の話しを聞いた。



< 117 / 186 >

この作品をシェア

pagetop