女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「さて、じゃあ俺達も帰りますか?」


そうニコニコしながら言う佐伯。

あたしの質問は無視!?


『…………』


「梨優?怒ってる?」

『…怒ってない』


そう行ってからスタスタ先に歩く。


「わぁ~!ちょっと待ってよ梨優!」


そう言って掴まれた手。


『ちょっとっ…!離してよ!』

「やだ~!梨優怒ってるんだもん」

『怒って無いってば!だから離して!!』


掴まれた手から体温が上昇してるのが自分で分かる。


「本当に~?でも、やっぱり離さない!!」

『は!?何でよ!?』

意味分かんない!


「だって…梨優離れて行きそうだし…」
『え…?』


一瞬、悲しそうな表情をした佐伯。

何で…?


「…な~んて!ただ梨優と手繋ぎたいだけ~!」

『なっ…何よそれ!?』


ちょっと心配して損した!!


結局、手を離してくれず、体温が上昇したまま家に帰る羽目になった…。



< 120 / 186 >

この作品をシェア

pagetop