女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
「さて、じゃあ俺達も帰りますか?」
そうニコニコしながら言う佐伯。
あたしの質問は無視!?
『…………』
「梨優?怒ってる?」
『…怒ってない』
そう行ってからスタスタ先に歩く。
「わぁ~!ちょっと待ってよ梨優!」
そう言って掴まれた手。
『ちょっとっ…!離してよ!』
「やだ~!梨優怒ってるんだもん」
『怒って無いってば!だから離して!!』
掴まれた手から体温が上昇してるのが自分で分かる。
「本当に~?でも、やっぱり離さない!!」
『は!?何でよ!?』
意味分かんない!
「だって…梨優離れて行きそうだし…」
『え…?』
一瞬、悲しそうな表情をした佐伯。
何で…?
「…な~んて!ただ梨優と手繋ぎたいだけ~!」
『なっ…何よそれ!?』
ちょっと心配して損した!!
結局、手を離してくれず、体温が上昇したまま家に帰る羽目になった…。