女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
ガタッ
「梨優…帰ろ」
『え…佐伯?』
手を引っ張られ立ち上がらされる。
『ちょっ…え!?』
「おい、龍之介!?」
「悪ぃ…先帰る」
そう言うとあたしの手をそのまま引っ張り図書室を出る。
後ろから鈴木と向日葵の声が聞こえたけど、あたしは引っ張られるがまま。
佐伯の雰囲気がいつもと違う。
この間までの黒いオーラは出てないけど、何故か怒ってるみたいな…。