女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
…左手の薬指に輝く指輪。
あれを見て胸が痛まなくなったのはいつからだろう…?
「りっちゃんおはよう!」
ホームルームが終わって、一時間目が始まる前の短い休み時間。
話し掛けて来たのは友達の朝倉 向日葵。
向日葵とは1年の時から同じクラス。
『おはよう』
「りっちゃん、今日ギリギリだったね?いつもあたしより早いのに」
向日葵は5人兄弟の長女で、まだ小さな弟や妹の世話で忙しいらしくて、朝は大体ギリギリ。
でも、全然しっかりしてるように見えない。
見た目は小さくて幼い感じ。
162cmもあって大人びて見られるあたしとは対象的に、童顔でまだ小学生に見えなくもない。