女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「んなっ……!」

『とにかく良いから。ほら、向日葵保育園向こうでしょ』

「う、うんそうだけど…。本当に1人で大丈夫?」

『大丈夫だってば。早く行きな!双子ちゃん達待ってるよ!』

「うん…。じゃあ気を付けてね!?」

『はいはい、また明日』


そう言って手を振り返した。


「俺も帰るけど…」

『じゃあね』

「冷たっ!まぁ良いや…。じゃあな!!」


そう言うと走って行った。


『慌ただしい奴…』

一言呟いて、帰り道を歩く。


1人になると、考えるのは、さっきの佐伯の電話の事。

鈴木の言う通り女…?

あいつならあり得るよね…調子良いし!!
ムカつく…ってこれじゃヤキモチ妬いてるみたいじゃん!!

あんな調子良い男だよ?

この間だって香水の匂いさせてたし…。
そりゃ顔はまぁまぁかもだけど…。


『…ダメだ…。勉強の教えすぎでおかしくなったかも…』


っていうか最近調子狂わされっぱなし。
あいつのせいで…。


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