女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
それから行きも帰りも勉強を理由に佐伯と居るのを拒み、学校でも極力避け続けた。
でも…今日でテストも終わり、これからどういう理由をつけよう…。
テスト最後の教科の数学の教科書を広げ、寝不足でイマイチ働かない頭で考える。
「りっちゃん?」
『ん…?どうしたの?』
いつの間にかあたしの席の前に立ってた向日葵。
「んと…って、りっちゃん顔色悪くない!?大丈夫?」
向日葵が心配そうに言う。
『大丈夫よ』
これ以上心配させないように何でも無いように言う。
ここ何日かまともに寝てない上に、殆どまともに食べてないからかもしれない。
色々考えてしまわないように遅くまで勉強に明け暮れてた。
勉強してる間は少しあいつの事を考えないで済むような気がして…。
でも、ふとした瞬間に考えてしまう。
いつも、好きって言ってくれたのも
あの体育倉庫から助けてくれたのも
キスしたのも…
全部、本気じゃなかったの?って……