女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
「ねぇ、りっちゃん…」
『ん?』
向日葵が何か言いづらそうにしてる。
「あの…」
『何?はっきりしなさいよ』
ちょっとイライラした口調になってしまった。
「ごめん…。あのさ…佐伯くんと何かあった?」
困ったような顔をした向日葵の言葉。
鈍感の向日葵でも、気付いたみたい。
かなり佐伯を避けてるから…。
『…別に』
だからってあの時の事を口に出したく無くて、素っ気ない言い方になる。
思い出させないでよ…。