女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「でも…りっちゃん最近変だよ。だって…」


『何でも無いってば!!』


あたしの怒鳴ったような声に、教室が一瞬静かになる。


『ごめん…』


これじゃ八つ当たりだ…。


「ううん…。あたしこそしつこくしてごめんね?」


お互いの間にきまづい空気が流れる。


「ほら、もうすぐ予鈴鳴るから席につけ~!!」


タイミングよくテストの監督の為に入って来た中原先生。


「あ…じゃああたし席戻るね…」


無理に笑顔を作って自分の席に戻って行った向日葵。


『はぁ…』


自分の身勝手さに小さくため息をつく。

「これで最後だから頑張れよ~!!」


最後は数学か…。


そう考えながら前を向く。


『っ…』


何でこっち見てるの…?



< 151 / 186 >

この作品をシェア

pagetop