女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
カラッ
前の席の男子がもう解き終わったのか諦めたのか、シャーペンを置いて机に突っ伏した。
そのせいで嫌でも佐伯の背中が目に入る。
背が高いから机が低いのか問題を解くためなのかちょっと前屈みになってる広い背中。
「後ろから抱きつきたい!」
なんて言ってた女子の気持ちが今なら少しだけ分かる。
あの女の人はいつもそうしてるのかな…?
一瞬そう考えて小さく首をふる。
あたしさっきから何を考えてる訳?
意味無い…。
とにかく問題とかなきゃ…。
なんとかテストに意識を向けてイマイチぼーっとして働かない頭で問題を解いた。