女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

キーンコーンカーンコーン♪


「終わった~!」

「遊ぶぞ~!!」


テストの終わりを告げるチャイムが鳴った途端に騒がしくなる教室。


あたしはというとなんとか問題を解き終わった後、頭の痛さから机に突っ伏してた。


「ほらほら、騒ぐな!後ろの奴、テスト集めて~!」


そうだ…あたし1番後ろだから集めなきゃじゃん…。


起こしたと同時にガンガンと痛む頭。


「里中さん大丈夫?」


頭を手で抑えてるのを見てたみたいで前の席の子に心配された。


『大丈夫…』


そう言って勢いよく立ち上った瞬間、意識が遠くなるのを感じた。


「里中さん!」


あたしの名前を呼ぶ声と教室のざわめきの音…


スロモーションで後ろに倒れて行くのを感じながら、『あぁ、やっぱり寝不足って良くないんだ…』なんて他人事のように思いながら意識を手離した―――…。



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