女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**


「――ゃん」


誰かに呼ばれてる…?


『ん……』


「りっちゃん!」


ゆっくりと目を開けると、心配そうな向日葵があたしを覗き込んでた。


「りっちゃん大丈夫!?」

『あれ…あたし…』

テスト終わって、立ち上って…倒れたんだよね…。


「里中さん目覚めた?」


閉められてたカーテンが開けられて保健室の先生が言う。


『はい、あの…痛っ!!』


軽く上半身を起こそうとしたら頭がズキッとした。


「倒れて頭打ってるのよ。幸い、だらしのない生徒が落としてたカバンがクッションになったみたいだけど。柔道着が入ってたみたいよ?」


じゅ…柔道着って…。



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