女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「りっちゃんどうしたの?」

『これ…』


ちょっと持ち上げて見せる。


「あぁ、それ多分佐伯くんのだと思うよ」


『佐伯の?』

「うん、多分。りっちゃん運んでくれたの佐伯くんなんだよ?」

『嘘っ…』


保健室に来れた謎は解けたけど、運んでくれたのが佐伯って…。


「本当だよ!りっちゃんが倒れてすぐに駆けよって、お姫様抱っして教室出てっちゃったんだもん。みんなびっくりだよ!」

お姫様抱っこって…。


「佐伯くんよっぽどりっちゃんが好きなんだね…」


優しい顔をして言う向日葵。


好き…な訳無いじゃない…。


否定しようと口を開く。


「梨優!!」



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