女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

*恋の花が咲いた頃



「なぁ…梨優何か勘違いしてない?」

『勘違い…?何言ってるの?』

「だから、俺彼女居ないし!いつも梨優にこれだけアタックしてまだ分からない?」


今更何言ってるの?


『嘘!あたしの反応見て面白がってたんでしょ!?もう良いから離してってばっ…!』

「離さねー」


離す所か、あたしの両腕を掴んで正面に向き直る佐伯。

あたしはそんな佐伯から目を離す。


「聞いてくれるまで離さない」

『もう聞くことなんて無いから…』

「良いから!確かにファミレスに俺居たよ」

ほら、やっぱり…。

「…別にあたしに関係無いから」


何度も聞かなくても分かってる…。


「ちゃんと最後まで聞けって!確かにファミレスには居たよ。でもあいつは彼女じゃない」


まだ言うの?


いたちごっこな話にあたしは言い返す気力も無い。



< 167 / 186 >

この作品をシェア

pagetop