女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「…で、教室行くのも嫌になってしょっちゅうサボって此処に来てた…」


『此処に?』


立ち入り禁止なのに?

って今更か…。

やっぱりまだ頭が上手く回ってないみたい…。


「そう…。此処なら誰も来ないし1人になれたから。もう追いかけるのもいい加減嫌になってた時だったし…。」


そうなんだ…。


「でもさ…ある日いつものように屋上に来たらいつの間にか爆睡しちゃってて…ドアの開いた音で起きたんだよ。先生の見回りでも来たのかと思ってそっと影から覗いたんだ。そしたら…」


まだ佐伯はあたしに背を向けたまま空を見上げる。


「女の子が居たんだ。俺も名前と顔位は知ってた。だって…有名だったから」


有名な女の子…?



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