女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
「初めて守りたいと思った。氷の女王様なんて呼ばれてるけど、実は強がりで本当は人一倍傷付きやすい女の子を…」
佐伯の愛しそうな瞳に、止まってた涙がまた溢れそうになる。
「一目惚れだったんだよな…」
そう言って微笑む佐伯に2年生の新学期を思い出す。
――「俺、君に一目惚れしちゃった!付き合ってよ」
あれはそういう意味だったんだ…。
でも、そんな事知らないあたしはただチャラい奴だって思った。
また、外見だけで見てると思ってた。
だから…
――『はぁ~!?無理!』
速攻で断ったんだよね…。
あの頃は失恋したばっかで恋なんてしないって思ってた。
こんな奴あり得ないって…
なのにいつの間に……