女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
「…梨優の瞳に映りたかった。俺を見てほしかった。だから同じクラスになって、あんな風に梨優に話しかけた…。でも…梨優が見つめる先は違った。」
悲しそうに一瞬俯く佐伯にあたしまで胸が痛む。
「それで一瞬にして分かった。ゴミ箱に捨てた物も屋上での涙も、時々見せる切な気な表情も…。」
周りはきっと誰も気付かなかった。
氷の女王なんて呼ばれてる位に見られたくない事は出さないあたしだから…。
でも…佐伯は気付いてたんだね…?
「だけどさ…俺、期待して良い?」
『え…?』
「だって姉貴の事彼女と勘違いしてヤキモチ妬いてくれたんでしょ?」
ニッと笑う佐伯。
『なっ…な訳無いでしょ!』
本当はそうだけど言えるか!!