女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

『……っ』


答えは決まってるのに何て言ったら良いのか分からない。


「?」


あたしを首を傾げて不思議そうに見てる佐伯にどう言ったら分からなくて目をそらして俯く。


どうしよ…。

言わなきゃいけないのに…。


涙腺が完全に緩んでるみたいでまた目が潤む。


「梨優?」


優しい声にあたしは思わず顔をあげると微笑んだ佐伯が居た。


「梨優って結構泣き虫だよな~」


からかうような口調。


『なっ……!!』


なんだか恥ずかしいのとムカつくので上目遣いで睨む。


「…その顔反則」


あたしの目の前まで近づいて指で涙を軽く弾く。


「ちっ、近いんだけどっ…!」


恥ずかしいんですけどっ!!


「ねぇ…キスして良い?」

『っ…!!』


あたしの目線まで屈んだ佐伯が真っ直ぐあたしを見つめて言った。


もう頭の中は大パニック。


表情に出さないようにするも目が泳ぐ。


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