女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
「ねぇねぇ、里中さんと、佐伯くんて付き合ってるのぉ~?」
100m走のタイム測定の順番待ちをしていると、前に居る、小野 千波が話しかけて来る。
…あたし、この子苦手なんだよね…。
『…付き合ってないけど』
「え~本当にぃ~?だってぇ~佐伯くんといつも話してない~?」
いちいち語尾伸ばすなよ!
『あっちが勝手に来るだけだし。ほら、順番来たよ』
素っ気なく言う。
「よ~い、スタート!」
先生の合図で4、5人ずつが走る。
…何、あの走り方。
内股でやる気あんのか! みたいな走り方。
ぶりっ子と言われてる理由が分かる。