女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
『…近くない?』
一瞬、龍之介の微笑みに怯んだが、気を取り直して冷静に言う。
なのに……
「あたり前でしょ?キスすんのに遠くてどうすんのさ」
しれっと言い放つ龍之介。
『はぁ!?なんでこんな所で!』
誰かに見られたらどうすんのよ!
近付くのを拒否するように両手を前に出す。
「良いじゃん。誰も来ないって」
あたしの心を読んだかのように、そう言うとあたしの両手を掴み、また顔を近付けて来た。
両手なんか出すんじゃなかった!
抵抗しようにもしっかり掴まれた両手は離れない。
『ちょっと!龍…』
本気~!?