女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
―バチッと佐伯と目が合った。
「梨優~!俺凄く無かった~!?」
『…馬鹿』
大きく両手を振りながら叫んで来る佐伯。
やっぱりあり得ない。
さっきドキッとしたのも気のせいね。
「佐伯君、本当にりっちゃんが好きなんだねぇ~。ほら、まだ手振ってるよ(笑)」
向日葵の言葉に、チラッと佐伯の方を見る。
『…ハァ……』
本当にさっきより激しく振ってるし…。
その後、女子担当の教師に全員もとの場所に戻るように言われ、あいつを無視して戻った。
まさかこの時、小野が睨んでたなんて考えもしなかった…。