女王様とお調子者
**恋の花が咲いた頃**
「バカだよね~素直に俺みたいに素直に言えば良いのに。なぁ、梨優?」
『鬱陶しい。あんたは言い過ぎ』
肩を組んで来た佐伯の手を払い言う。
「ちぇっ…で?梨優はチョコ!」
来たか……。
『…あたしが持って来てると思う?』
冷たく言い放つ。
「ですよね…」
そう言うとすごすごと自分の席に戻って行った佐伯。
もっとしつこく食い付いて来ると思ったのに…。
なんか拍子抜け。
まぁ…面倒くさくなくて良かったか…。
そう思いつつ、その後、すぐ鳴ったチャイムで、あたしも席に着いたけどなんだか落ち着かなかった。