女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「佐伯くぅ~ん!」

向こうからお決まりの如く内股で駆けよって来た小野 千波(ぶりっこ)。


『げっ…』


聞こえないように小さく言って、顔をしかめる。


「ん?どうした?」

何も分からないように聞く佐伯だけど、絶対気付いてるよね…だってさっきから散々呼び出されてるんだから。


やっぱり小野さん(一応付けとく)って佐伯の事が好きなんだ…。


「うん…あのね?ちょっと話があってぇ~ちょっと良い?」

わざとらしい上目遣いで言う小野(やっぱり呼び捨て)。


心なしかいつもより化粧が濃い……。




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