女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「あー…うん、良いけど…」


チラッと佐伯があたしを見たのが分かったけど、気付かない振りをした。

大体なんであたし見る訳?


「本当にぃ~!?じゃあ、行こ!」


そう言って、佐伯の腕を取った小野。


「え、あぁ…」


2人が出口に向かってからチラッと見ると…小野が一瞬勝ち誇ったような笑顔で、こちらを見て出て行った。


『何あれ……』

「え?」


思わず口に出したあたしに、向日葵が不思議そうに首を傾げてる。


『なんでもない…』

「そう?でも小野さんてやっぱり佐伯くんの事好きなのかな~?」


鈍い向日葵でもさすがに小野が何の為に佐伯を呼び出したのか分かったらしく、言う。



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