【完結】しゅがぁLOVE
あたしをみて鋭く睨みをきかせるその人は、
舌打ちをして去っていく。
なにあの人!
恐すぎ!!
「あんた、大丈夫?」
「し、梓衣っ!なんかとっても恐いお方がっ」
「あ?あぁ、河部礼央くんでしょ」
梓衣はさっきの不良をチラッと見ながら、何の違和感もなく言ってのけた。
……、……、……は?
「え、えええ?梓衣今なんていった!?」
「は?なにが…
「さっきの人の名前!今なんていった!?」
あたしの興奮具合に若干引きながら、
梓衣は答える。
「河部、礼央君…」
と。
それはたしかに、先程まで一位の欄に書かれたのを神様の如く眺めていた名前であり。
それはたしかに、あたしが憧れた人間の名前であり。
それはたしかに、さっきぶつかったあの大不良を指す名前だった。