黒いスーツの王子様
こんな言葉・・

きれいごとだってわかってる・・


だけど早く、

早く淳と別れてほしかった。






あんな野郎と別れて‥


希を俺のものにしたい……




早く、

早く・・・






希は唇を噛み締め
小さく深呼吸したあと、

携帯の通話ボタンを押し
そっと耳にあてた・・






「…もしもし?」



希がか細い声を出す。



今は‥
見守ることしかできない‥

だから希を自分の方に抱き寄せ、背中を優しく摩った。






「‥うん、久しぶり。………うん‥‥ゴメン…」


.
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