黒いスーツの王子様
「入りなよ…」

「う、うん‥」



あたしは玄関で靴を脱ぎ、
家にそっと入る。

久々の淳の家は
全然変わっていない。


むしろ

あたしがいた頃よりも、
部屋がキレイに片付いている。









「はい‥」

「…ありがと。」



リビング座り淳がコーヒーを
いれてくれた。


あたしはコーヒーに
砂糖とミルクを入れ、

一口飲む。






「希…ゴメン。『帰って来るな』なんて言って‥」


俯いて歯を
食いしばって言う淳。





「別に。
もう気にしてないから‥」

「………」


.
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