雪に消えた日



がしっ―‥

勢いでユキちゃんの腕を掴んだ。


「‥?」

「行かないで。
 一人になるの寂しいし…」


気付いたら、
いつもは言わない台詞を口走っていた。

「じゃあ…いいんですか‥??
 あたし‥部屋汚すし世間知らずだし…」

「そりゃ、
 部屋汚されるのは少し困るけど
 ユキちゃんがいなくなるより、
 全然いい。」

ユキちゃんの前だと素直な自分でいれる。
気を使わなくていい。
嘘を付かなくていい。
本当の言葉で話せる。


             
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