雪に消えた日
「……あっ‥‥わっっ!?」
前を見ると崖が‥
「止まれ―――…」
その声は
地上から遠ざかって行く。
一瞬身体が浮き、
奈落の底へ真っ逆さま。
ダッセーな俺…
こんなんで死ぬのか‥
バカみてぇー…
開いていた目が少しずつ閉じる。
落ちていく景色を見て
恐怖を感じて死ぬくらいなら、
見ないで死んだ方がずっといいや…
あぁ、俺死ぬんだな―…
そう思った時、
「?」
ふわっと身体が地上へと戻っていった。
恐る恐る目を開く。