空の軌跡、夢の欠片

春の続き。

佐渡火星再開発総合学園 


新潟県にある日本最大の島である佐渡にテラフォーミングの技術者や作業者を育成する国際的な計画である火星再開発計画(プロジェクトアーク)の日本での学園都市が、佐渡火星再開発総合学園であり国際宇宙ステーションであるエデンに積極的な交流をしている。

オロチによるエデンハイジャツク事件から1年。


停滞していた交流をまた再開する事になり学園も活気づいていた。

桜並木が続く先にある白亜の巨大学園の中で不恰好な黒い箱の様な建物は、擬似無重力空間を作る宇宙用の特殊作業機器である宇宙装機の訓練棟である。


宇宙空間を模したその巨大な暗闇に朱色の鋭い2つの光が点いた。

赤い二つの眼 


無重力状態の擬似宇宙空間に身動きをせずに訓練用の宇宙仕様装機がたたずんでいる


黒く塗られた西洋騎士の様な外観のそれは、ただ暗やみに息を殺している。 


装機のコックピットには黒髪短髪の少女が目を閉じてそこにいた。

少女が息をごくりと飲むと同時にモニターが慌ただしく動きはじめた。 


少女の白い肌にモニターの色が映る。 


< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop