ヤンキーと恋★
「俺って可愛い訳?ふぅん…そっか、そっか。」
怪しいオーラを出し始めた慎也君が距離を開けた私に近づいて来る。
私は、ゆっくり後退りながら、なんて言い訳しようと考えている
「可愛い俺は、今から狼になるけど…それでも可愛いのかな?」
ニヤリという文字が出そうな顔をした慎也君がさらに近づく。
やばっと思った私はクルッと向きを変えて靴箱までダッシュした。
ドンッ!!
靴箱に着いた時、校内からでてきた誰かとぶつかった。
「った。…あ、ごめんなさい!!」
バッと頭を下げて謝る。
「いえ…大丈夫ですから…」
その声に顔をあげると、んっ?と思った。
坊主頭にいかつい目。
きている物は制服じゃなく着物。
首から肩にかけて描かれているドラゴン。
初めてみる顔にビックリした。
おそらく、ここの学校の先生じゃない。
年齢的に30代後半くらいだろう…
「あの…何か?」
ジーっと見つめてしまっている私に、ぶつかった男が訪ねる
「あっ、いえ!!ごめんなさい」
「そうですか。失礼…」
そう言うと、ペコッと頭を下げて歩いて行った。