ヤンキーと恋★
色々言い訳を考えているうちに、ドンっと壁にぶつかった。

ハッとしたあたしは、壁から離れなきゃという事が頭で判断され、咄嗟に右に移動しようとした。

でもそれは、バンという音と慎也君の腕と共に、阻まれた。


「直美、いい加減白状しなよ。何で避けてたんだ?」

・・・・・。
聞いちゃうんだ。


答えれる物なら答えたい。そしてここから逃れたい。
でも、"キスを意識しちゃって、しかも慎也君の事が好きってわかって・・・それで避けてました"なんて、言えるかーーー!!!


結局無言のあたしに、慎也君がすぅぅぅっごく不敵な笑みを漏らして、
「何?もしかして俺の事好き?あん時のキス、まだ意識してる?」
って。



あんた、エスパーかい!!
図星をつかれて、顔を真っ赤にするあたしに、ハッと笑った慎也君。

「な、、何で、、笑って、、、、」

何で笑ってるの、と言おうとするあたしの唇に慎也君の唇が重なった。

一瞬の出来事で、目をぱちくりするあたしに、
「答えてみなよ。俺の事好きなんだろ?」
と聞く慎也君。


その問いにフルフルと首を振るあたしに、素直になれって、と呟きまたキスをした。
今度は反射的にダンッと肩を叩いた。

唇が離れた時に少し、少しだけ、残念と思った。


「答えろよ。それとも、俺が言ってやろうか?」

「・・・え??」

言葉の意味が分からず、聞き返すあたしに、
「だから、俺がいってやるよ。」
ていうから、
「・・・なんて??」と返した。

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