あっぷるティ
「で、」
俺は今、渡された地図を頼りに、池内の家へと向かっている。
「なんでお前まで付いてくるんだよ…!」
「えぇ‐?良ぃじゃん、ひろりんの家、気になるしさ♪」
横では、学生鞄を抱えた相川が、にこにこしながら歩いている。
明らかにこの状況を面白がっている顔だ。
「…まぁいっか…。えっと、地図ではこの辺りなんだけど…」
地図と町並みを交互に確認しながら歩くスピ‐ドを緩める。
家が沢山ありすぎて、一軒一軒表札を見ていくしかなかった。
「あ、ここじゃない?ホラ、池内って書いてるし…」
「ああ、ほんとだ…」
表札を確かめて家を見上げる。
綺麗で新しそうな一軒家だ。
ピ‐ンポ‐ン
インターホンを押してしばらく待っていると、女の人の声が応答してきた。
「はい」
「あ、あの…望月光です。…池内…じゃなくて、弘斗君いますか?」
「弘斗のお友達?ごめんね、わざわざ…。ちょっと待ってね‐」
ブツっという音とともに、家の中からバタバタと慌ただしい音が聞こえてきた。
ガチャ
「こんにちは‐」
…………
………
「…………え…?」