ノエルナイト
かじかむ手をジャケットのポケットに入れ、寒さをしのぐ。
駅前では、何かイベントをしているらしい。
誰かが喋る声がマイクでエコーして聞こえてくる。
「寒い…
つか、アイツまだかよ。」
凍えながら呟いてみたものの、冬の冷たい空気は俺の体温を奪っていく。
なんで俺がこんなこと。
人が行き交う駅前で、俺は彼女を待っていた。
いや、正確には彼女ではなく、セフレっぽいものだ。
あっちはどうか分からないが、少なくとも俺はソイツに対して恋愛感情というものを持っていない。
まぁ、俺としては、女の子には優しくがモットーなわけで、それなりに付き合ったりしているのだが。