欠陥ドール
今まで、何度も思った。
『あたしは欠陥品です』
君の笑顔を見ると胸が締め付けられるように痛くて、熱を持って熱い。でも、穏やかになる。緩やかな、熱。
君が他の子と話してるのを見ると、胃の中が焼けつくように、痛くて苦しい。醜い黒いものがあたしを支配する。
でも、あたしはそれをうまく表現できない。
心というものが、感情というものが、あたしを混乱させる。
だからあたしは自分の中にあるこの感覚が、時としてこわい。
でも確かに存在してる、君を思うあたしの…。
君に伝えられない。
きっと一生かかっても無理。
君の為に存在しているのに、君じゃなきゃあたしでいられないのに。
君だけの『特別』になりたいのに。
欠陥だらけの人形のあたしには、きっと無理なんだ。