クリスマスに一番ツイてない男の話
タイムカードを打って、会社から飛び出す。

日が暮れたなんて可愛いものじゃない。

こんな時間に帰っていたら、僕がサンタクロースと遭遇してしまいそうな午後11時30分。

駐輪場のバイクにまたがり、制限速度プラス10キロくらいで走る。

だっていうのに、そんなに僕を彼女と過ごさせたくないのか。

道行く車の群れ、群れ、群れ。

ノロノロ運転で道を塞ぐ。

そう、世は太平のクリスマスイヴ。

幸せに恋人とドライブなんてしているのである。

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