王国ファンタジア【ララミーの民】-ドラゴン討伐編-
フェニックスはゴツゴツした岩のある穴を進んで少しして雨で濡れた体を乾かすために止まる。
【リルスの玉で乾かすといいぞ】
リルスの玉の中の小人の声がフェニックスの頭の中に響いた。
乾け!
フェニックスは自分の体にリルスの玉を向ける。
リルスの玉で風穴を照らしてた日の光の色がもっと濃くなった。
(止めて!死んじゃう)
小人とは違うキイキイ声がフェニックスの頭に響いた。
誰?
(水の精よ。あなたの肩に乗ってるわ)
フェニックスがリルスの玉を少し放した所に置いて手のひらを上にして肩に近づけるとポツンとぬれた感触がした。
そしてリルスの玉の光が届くか届かないところに手を運ぶ。
(名前はリールって言うの、よろしく!)
小さな妖精が小さな手をふった。
よろしく。…ってなぜ私の肩に乗ったの?
(なぜって、雨がふったからじゃない)
だからなぜなの?
(なぜって…。リール、ちっさいからわかんないもん)
そりゃ、小さいわね。
【リールはいくつじゃ】
(リールは生まれて一週間なの)
【それじゃ何も知らないのも無理はない。フェニックス!水の精の子供は初めて見た者になつくんじゃ。面倒じゃがそれも定めなのだ】
定めねー。まあ、いっかぁ。私がお母さんがわりに面倒みるわ。