王国ファンタジア【ララミーの民】-ドラゴン討伐編-
一匹目
重い!見た目よりずっと重い。
テイシンは小隊一個と引き換えに王宮で開発中の大砲という銃の大きなものを受け取ったのだ。
黒光りした大きな筒に丸い火薬を入れて火薬についている紐に火をつけるとまか不思議なことに丸い火薬が飛んでいく仕組みだ。
その大砲を荷車の真ん中に固定して(固定するのに半日かかった)周りにラ・ウォルカンや道中の村や町あての荷物を載せてある。
それが重いのだ。
これじゃ、ラ・ウォルカンまでもたない。そうだ、他の事を考えればいいんだ。
しゃべるのは得意だけど、考えるのはな~。えーと、赤毛のガキはララミーの民だよな。ララミーの民は翼のある民だよな。なぜガキにはないんだ。捨て子とかか?それとも俺みたいに他の民の男にはらまされたのか?それとも…。えーい、止めだ、余計疲れる~
テイシンとフェニックスはラ・ウォルカン目指して王都を出発して王都近郊の穀倉地帯を南に進んでいるところだ。
今は秋なので、作物が黄金色に実っているはずだが、八割がたドラゴンに食いちらされている。