Love×Lovers~秘密の婚約者~
何なのよ、いったい。
それだけでこんな時に掛けてこないで欲しいわ。
『到着いたしました。』
専属運転手の声でドアを開ける。
その私の行動に、運転手があわてて駆け付ける。
『悠梨愛さま!!私がお開けしますから!!』
ドアくらい、自分で開けさせてよ。
「大丈夫よ、ありがとう。お父様側をお願い。」
『いいえ・・・分かりました。』
『悠梨愛、せっかくの服が台無しになるぞ。』
ワンピースくらい、大丈夫だから。
『大丈夫よ、あなた。悠梨愛に限ってそんなことないわ。』
お母さんがにっこりほほ笑む。
ナイスフォロー、お母さん。
『さぁ、行きましょ。悠梨愛。』